フィルターとは、
フィルターの役割とは
私たちの周りを見渡すと、様々な所でフィルターが使われています。コーヒーやエアコンのフィルター、掃除機や浄水器のフィルター、自動車のオイルフィルターが浮かぶと思います。そして、それ以外にも、カメラのレンズフィルター、電気通信機器のノイズフィルターがあります。
また、工場の設備や生産機械、コンピューターでもフィルターが使われています。一括りでフィルターと言っても、どうやら用途や役割によって色々な種類があるようです。それでは、フィルターについて、そもそもの言葉の意味から迫ってみようと思います。
目 次









フィルターとは

フィルター(filter)とは、『ろ過器、こし器、ろ過する、こす』と言う英単語です。一般的には、『液体や気体等の流体の中から、特定の不要なものを取り除き、必要なものだけを抽出させるものを言います。しかし、近代化とともに、液体や気体だけでなく、光、電気、情報データの分野においても、必要なものを抽出する機能が必要となり、それらのものをフィルターと呼んでいます。
フィルター:
不要なものを取り除く。必要なものを抽出する。

フィルターの種類
濾過(ろか)フィルター(液体)
液体中に混ざり込んだ固形物や異物を取り除く装置や部品。コーヒー豆からコーヒー成分を抽出するコーヒーフィルター(濾紙)。自動車や機械装置のオイルフィルターや燃料フィルター、水槽用のフィルター等があります。
濾過(ろか)フィルター(気体)
空気清浄器にフィルターが使われており気体中に混ざり込んだ固形物や異物を取り除く装置です。また、エアコンのフィルターは、埃や花粉、ペットの毛等の空気中の汚れなどがエアコンの内部に入り込まないようにしています。その他、掃除機のエアフィルター(ダストフィルター)、タバコのフィルター、ガスマスク等があります。
光学フィルター
透過する光を波長や偏光で制限し、色々な光学変化を生む装置。カメラでは、光の反射を押さえたり、色彩をより変えるのに、レンズにフィルターを使っています。通過する光や特定の光のある波長を減衰する透明フィルターとして、濾光器、濾光板、偏光フィルターがあります。
電気フィルター、ノイズフィルター
電気通信機器で使う、 電気信号を周波数帯域ごとに強めたり弱めたりする濾波器を電気フィルターと呼びます。また、ノイズを除去する装置であるノイズフィルターがあります。
検索フィルター、デジタルフィルター(コンピューター関係)
コンピューターでは、異物を除去したり、必要な条件で抽出することをフィルターやフィルタリングと呼んでいます。データ検索で使う検索フィルターがあります。また、光学フィルターや電気フィルターと同等の効果をデジタル信号処理で実現した装置やソフトウェアをデジタルフィルターと呼びます。

フィルターの役割とは
名称 | 媒体 | 役割 | 用途 |
---|---|---|---|
濾過フィルター (液体) | 液体 | 不要な異物を取り除く。または、必要なものだけを抽出する | コーヒー、自動車(オイルフィルター、燃料フィルター) |
濾過フィルター (気体) | 気体 | ゴミ、埃等の異物を取り除く | エアコン、掃除機、タバコ、ガスマスク |
光学フィルター | 光、波長 | フィルターを通すことで光の反射を抑えられたり、色彩をより豊かにする | カメラ、ビデオ |
電気フィルター | 電気信号 | ろ過器では、電気信号を周波数帯域ごとに強めたり弱めたりする | 電気通信機器 |
ノイズフィルター | 電気信号 | ノイズを低減させる | 機械装置 |
検索フィルター | データ | データを特定の条件で抽出する | コンピュータソフト |
デジタルフィルター | デジタル信号 | 光学フィルターや電気フィルターと同等の効果をデジタル信号処理で実現する | コンピューター装置、ソフトウェア |
濾過フィルター(液体)
媒体:
液体
役割:
不要な異物を取り除く。または、必要なものだけを抽出する
用途:
コーヒー、自動車(オイルフィルター、燃料フィルター)
濾過フィルター(気体)
媒体:
気体
役割:
ゴミ、埃等の異物を取り除く
用途:
エアコン、掃除機、タバコ、ガスマスク
光フィルター
媒体:
光、波長
役割:
フィルターを通すことで光の反射を抑えられたり、色彩をより豊かにする
用途:
カメラ、ビデオ
電気フィルター
媒体:
電気信号
役割:
ろ過器では、電気信号を周波数帯域ごとに強めたり弱めたりする
用途:
電気通信機器
ノイズフィルター
媒体:
電気信号
役割:
ノイズを低減させる
用途:
機械装置
検索フィルター
媒体:
データ
役割:
データを特定の条件で抽出
用途:
コンピュータソフト
デジタルフィルター
媒体:
デジタル信号
役割:
光学フィルターや電気フィルターと同等の効果をデジタル信号処理で実現する
用途:
コンピューター装置、ソフトウェア

フィルターの注意点
フィルターは、様々な場所や用途で非常に重要な役割を持っています。しかし、一つ重要な注意点があります。それは、『定期的な点検・清掃・交換作業』です。例えば、ご家庭のエアコンのフィルターの場合、定期的な清掃をしないで使用しているとゴミや埃がフィルターで根詰まりを起こし、フィルターの役割が果たせなくなります。「冷えない。」や「カビ臭い。」と言う問題が起こってしまします。だから、フィルターの役割を機能させるためには、『定期的な点検・清掃・交換作業』が必要不可欠なのです。
自働車のオイルフィルターや燃料フィルターでも同じです。劣化してくると性能が落ちるだけでなく事故につながる可能性があります。だから車検や定期点検で必ず確認されています。
フィルター:
『定期的な点検・清掃・交換作業』が不可欠!

放電加工機のフィルターについて
当社では、生産設備である放電加工機用フィルターを製造・販売をしています。放電加工機は、放電によって金属を加工していく工作機械です。電極と加工材の間でアーク放電をすることで生じる熱によって金属を溶かし、形彫りや切り抜き、小径の穴空け加工などを行います。この放電加工を行うための工作機械が放電加工機です。
放電加工機には、ワイヤー線を電極とする切り抜き用のワイヤー放電加工機(ワイヤーカット放電加工機)、直方体や円柱状の電極で形彫り加工する形彫り放電加工機があります。どちらの機械も、加工液の中で加工します。加工すると加工くずが発生し、徐々に加工くずが溜まっていき、加工精度が不安定になっていきます。よって、加工液中の加工くずをフィルターで除去する必要があります。詳しくは、放電加工機の原理をご覧ください。